チューニングしてクルマのパワーアップをしたのなら、他の部分にも手を入れてバランスをとる必要がある。その際、ブレーキから手に入れるのが定説だ。
ブレーキチューニングの初歩はパッド交換
サーキットやワインディングを走るなら、純正パッドの効きが落ちてくる高音域での効きを確保することができるため、スポーツ走行にはパッド交換は必須といえる。
注意点としてブレーキパッドは効きが強いほうがいいというわけではなく、むやみに強いパッドを装着するとかえって扱いづらくなるので注意。
耐熱温度の対応温度も高ければよいというわけではない。
ブレーキパッドは街乗りやワインディング、サーキットなど、走る場所によって大きく分けられるが、その中でも特性の違うものが数種ラインナップされているので、自分に何が必要か、何を求めてチューニングするのか明確にしてから選ばないと、かえって難しくなるので注意が必要だ。
ブレーキパッドの材質と特性について
ブレーキパッドの摩耗の種類は大きく分けて、ノンアスベスト、セミメタル、フルメタルといった種類がある。
ざっくり説明すると前者より後者のほうが耐熱温度が高く、効きが強い。
フルメタルパッドはほぼレース用と考えて差し支えないので、基本的にはノンアスベストかセミメタルから選ぶことになるだろう。
ブレーキパッドとローターは同時交換がベスト
ほぼ新品同然か、消耗しきる以前に交換するなら別だが、ある程度消耗したブレーキパッド、それもローターをすり減らすようなブレーキパッドを交換する場合は、ブレーキローターも一緒に交換するのがベスト。
高性能なブレーキパッドの場合、摩耗力による消耗だけではなく、摩擦熱で反りかえってしまうことも。
排熱構造のないソリッドディスクであればなおさらで、少しずつ歪んでくるブレーキパッドもそれにあわせて消耗し、結果的にローターとブレーキパッドの当たり面が出ているが、新品だとその当たり面が出ていないので、ローターとの接触面積が極端に減ってしまう。
歪みが少なければローター表面を研磨で復旧できるが、それに無理があるほど歪んだら交換が必要になる。
タイヤも一緒に交換したい
ブレーキが効いてもタイヤがグリップしなければ止まらない。もちろん、ブレーキがフェードするとそれも止まらないので危険であるが、ブレーキだけを強化してもタイヤのグリップがなければ意味がないということ。
新品のローターに交換した場合、メーカーによるが表面に保護膜が塗布されていることがある。剥がす場合もあるが、そのまま組まれる場合もあり、フルブレーキで溶けてはがれる。
そのため、交換直後はブレーキの効きが悪い場合があるので、慌てないようにしたい。